簡裁訴訟代理等関係業務を行うことのできる司法書士の業務範囲は下記のとおりです。
(1) 簡易裁判所における次に掲げる手続について代理することができます。ポイントは、訴訟の目的の価額が140万円以下のものに限るという大前提がある点です。
@ 民事訴訟法の規定による手続・・・例えば、通常訴訟や少額訴訟、手形・小切手訴訟などです。
A 訴え提起前の和解
B 支払督促
C 民事訴訟法の規定による訴え提起前における証拠保全手続または民事保全法の規定による手続
D 民事調停法の規定による手続・・・一般民事調停、交通調停、特定調停などがあります。
E 少額訴訟債権執行・・・少額訴訟に係る債務名義による金銭債権に対する強制執行の手続です。
(2) 民事に関する紛争(簡易裁判所における民事訴訟法の規定による訴訟手続の対象となるものに限ります。)であって紛争の目的の価額が140万円を超えないものについて、相談に応じ、または仲介事件の手続若しくは裁判外の和解について代理することができます。
(3) 筆界特定の手続であって対象土地(不動産登記法第123条第3号に規定する対象土地をいう。)の価額として法務省令で定める方法により算定される額の合計額の2分の1に相当する額に、筆界特定によって通常得られることとなる利益の割合として法務省令で定める割合を乗じて得た額が140万円を超えないものについて、相談に応じ、または代理することができます。
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少額訴訟とは、60万円以下の金銭の支払を請求する場合に利用できる、簡易で迅速な簡易裁判所の手続きです。
(1)要件
@金銭の支払を目的とする請求である。
※物の引渡請求や金銭債務の不存在確認請求などの場合には利用できません。
A60万円以下の請求である。
(2)特徴
@原則として、1回の審理で終わる。
A証拠調べは、即時に取り調べることが可能なものに限られる。
B被告は反訴ができない。
※反訴とは、原告が被告に給付を求めている訴訟において、逆に被告から原告へ履行を求める請求を出すことです。
(3)手続きの流れ
原告となる申立人が裁判所への少額訴訟の申立てをすると、裁判所は口頭弁論期日を指定し、原告と被告を呼び出します。
被告が少額訴訟手続をとることを拒否したい場合は、最初の口頭弁論期日において、通常訴訟手続に移行させる旨の申述をすることができます。ここで、被告がいったん口頭弁論に応じ、またはその期日が終わってしまうと、もはや通常訴訟手続への移行を請求できなくなりますので注意が必要です。
少額訴訟の判決は口頭弁論終結後、ただちに言い渡されます。裁判所は判決内容について、被告の資力などの事情を考慮して、支払猶予や分割払を定めたり、その定めに従い支払をしたときは、訴え提起後の遅延損害金を免除する定めもすることができます。
少額訴訟の判決に対しては、控訴はできませんが、異議申立てにより通常訴訟での審理を求めることができます。しかし、少額訴訟判決には仮執行宣言がつきますので、強制執行をされるおそれがありますから、これを防ぐには執行停止の裁判を求める必要があります。
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支払督促は簡易で迅速な債権回収のための簡易裁判所の手続です。
(1)申立ての段階
申立てするには次の要件を満たしている必要があります。
@原則として金銭の支払を目的とする請求である
※例えば建物の明渡しなどの場合には使えません。
※金銭の請求であっても、違法賭博の掛け金の請求などには使えません。
A債務者に対し、日本国内で公示送達によらずに送達できること
※簡単に言えば、支払督促が債務者にちゃんと渡される必要があるということです。
※公示送達とは、相手が行方不明になってしまっている場合に、裁判所の掲示場に貼り出すことによって相手に届いたのと同じ効果を認める方法です。
ちなみに裁判所へ納める申立手数料は通常訴訟の2分の1で済みます。
(2)支払督促の発付
申立書を審査して適法なものと認めたときは、裁判所書記官は、債務者の言い分を聞くことなく支払督促を発付します。この支払督促は、債務者に正本が送達(郵送)され、申立人(債権者)には支払督促を発付した旨が通知されます。
(3)支払督促送達後の対応
債務者が、支払督促が送達されてから2週間以内に異議(督促異議といいます)を申し立てると、通常訴訟の手続きに移行します。
督促異議を申し立てず2週間経過すると、申立人(債権者)は裁判所に対し、支払督促に仮執行宣言を付すよう申し立てることができます。さらにそれから30日以内に仮執行宣言の申立てをしなければ、支払督促は効力を失いますので忘れないように注意が必要です。
(4)仮執行宣言の付された支払督促送達後の対応
債務者が、仮執行宣言の付された支払督促が送達されてから2週間以内に督促異議を申し立てると、通常訴訟の手続きに移行します。しかし注意しなければならないのは、通常訴訟に移っても仮執行宣言の執行力はこの時点でまだ有効であり、債務者は強制執行(差押など)をうける可能性があるということです。これを防ぐためには執行停止の申立てをし、その裁判を求める必要があります。
債務者がまたしても督促異議を申し立てず2週間経過すると、督促手続は終了し、支払督促は確定判決と同一の効力を有することとなります。
(5)支払督促のまとめ
@当事者は裁判所へ出廷する必要がなく、申立手数料も通常訴訟より安いので、簡易迅速である。
A債務者が債権債務の事実関係を争わない場合に威力を発揮する。
B債務者に争う意思があるのなら、裁判所からの郵送物を無視してほったらかしにせずただちに異議申立てをし、通常訴訟で自分の主張を聞いてもらうべきである。
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